ハプニング

衣装の大切さは、数々の失敗から学んでまいりました。そもそも、母の手作りは最近のことではなくって、ずっと昔の私がまだまだ幼稚園だった・・・・はるか昔のことです。

　バレエを習い始めたのがきっかけでした。今でも多くのバレエ教室がそうかもしれませんが、発表会の衣装は保護者の手作りだったのです。もちろん、衣装のデザインや生地の選定は先生や衣装の方が決めますが、娘のサイズを採寸し、完成させるのは保護者でした。母は、苦手だったと言いますが、それはそれは色とりどりで、様々な形のかわいい衣装の数々です。スパンコールも、レースも付いたかわいいものです。しかも、私だけでなく、３つ下の妹もいますから、母は二人分を作ってくれていました。しかも、ピアノも習っていましたから、発表会の衣装は、今思い返してみえると、手作りが多かったと思います。

　そういって、もっと思い出してみると、いまだに使っている裁縫箱のケースも母の手によるものですし、小学校はワンピースもよく作ってもらっていました。おけいこバックに限らず、ずいぶんたくさんでした

　中学生のピアノの発表会の時、スカートに吊りバンドのようなたての紐が付いたピンクのスカートをはいて白のブラウスを着ていました。リハーサルの時は何も起きなかったのですが、よりによって、本番の際に、そのひも（しかも、客席側だったんですよ・・・）がたら～～～～～ん・・・・・と落ちてきて、私は別にひもがたれようが、緊張していますから、別にだから下手とかそんな状態ではなかったですが、見ていたほうは、ハラハラだったそうです

　それに始まり、リボンがほどけていたり、曲がっていたり、アクセサリーが横に向いていた、とかがさつな私には色々細かな事はしょっちゅうでしたまあ。。。余裕がなかったってことなんですけどね。また、それにあんまり気にならないんですよね　でも、家族を中心とした周りのアドバイスにより、だんだんと気になるようになって、最近は本番の出番の前に、確認が出来るようになりましたわ

　しかし、一番大きな恥ずかしい失敗は、あのヌーブラが取れて、衣装から落ち、舞台に落ち、見事舞台に置き去りになったことです・・・ああ・・・・今思い出してもはずかしすぎる

　ティアラこうとうの小ホールでの、声楽家の方のリサイタルにピアノ伴奏として出演していた時でした。全ての曲の伴奏に、ピアノ連弾という大役でしたので、まあ緊張はもちのろん！でしていました。冬のクリスマス前でしたが、その日に限ってリハーサルからヌーブラだったんですよね。照明があたり、集中もあってものすごい汗がしたたり落ちてきました。ハンカチがありますから、額や手は、曲の合間などで拭っていました。しかし、舞台の天上があまり高くないホールで、私はほとんど２時間舞台にいたので、もろに照明を浴びていたらしくて、異常な汗の量だったらしく、だんだん汗でブラが浮いてくるのがわかってはいたんです。でも、ウエストで一回細くなっているラインのワンピースタイプのドレスでしたから、なんとかウエストで止まるように押し付けていたんです。もう、正直、必死ですよ。弾いていても気になるわけですよ

　それが悲しいことに、最後の曲になり、もちろん私も起立してお辞儀・・・当たり前ですが、しますよね。その時に、そうです、なんとか落ちずにとどまっていたブラちゃんが、落下・・・してしまったんです

　きゃｚ～～～～～

　唯一の救いは、厚手で真っ黒のドレスだったので透けなかったことです。その心配だけはなかったんですが、深くお辞儀をしながら、靴ではさんだり、なんとか袖に帰る際に連れて行こうと、頑張ったんですが、こんな時に限ってあの粘着力が復活しているわけですよおお！なんてこと～～～～！！！

　舞台にくっついたまま、動いてくれないブラさん。けっとばして連れて帰りたい私の気持ちも伝わらず、舞台に残していくことになりました。幸いな事に、こんなことにもほとんどの方が気づかないでいてくださって、私は本当に本当に救われましたよそれ以来は、ドレス専用の下着や、結婚式に花嫁さんが着ける用の下着など、たくさんあることを教わって、今は安心しています

　本番、何があるか分からないもんです。ハプニングは付きものといいますが、はずかしいったらありゃしない。

　恵比寿のコンサートでは、本番直前に手を楽譜の紙で切ってしまい、流血しながら、ハンカチで押さえながら、演奏するというグロテスクな経験もしましたわ・・・。おそろしや・・・。これで多少のことでは動じない、図太いわたくしになりました。皆さま、乗り越えていきましょ～～～～なんとかなるさ。